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その17 主日の黙想 No.10
『その受けた傷によって』
「そして、十字架にかかって、自らその身にわたしたちの罪を担ってください
ました。わたしたちが、罪に対して死んで、義によって生きるようになるためで
す。そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました」 〈ペトロ
第一の手紙二章二十四節〉
「ペトロ第一の手紙二章二十四節に」と題された作者不詳の詩があります。カ
ナダ・トロント教会の聖壇の内陣の十字架の下に、女性の像が十字架にかけられ
たように両腕を開いた姿でかけらているその像に寄せての詩です。
「ああ、神さま/十字架につけられた/女の姿を通して/やっと分かりました
/わたしの人生の大半/わたしは恥じてきました/わたしの負っている傷跡の
数々を/この傷跡は全て醜い物語を語っています/男がその心の思いのままに振
る舞うとき/その犠牲となる娘の/共通の物語を/あなたの臨在の暖かさ、平
和、陽の光のもとで/堅く握りしめたわたしの拳を開くことが出来ました/はじ
めて/あの出来事において/あなたがわたしと共に苦しんでおられることをわた
しは感じたのです/わたしは知っていました、あなたを傷つけやすい赤子として
/兄として、父として/今わたしはあなたを女として知るのです/あなたはあの
場所にわたしと共にいらっしゃいました/助ける人もなく、苦しみにとらえられ
て/暴行された娘として/恥と恐れの鎖も/最早わたしの心も体も縛っていませ
ん/憐れみと赦しのか細い灯火が灯されました/今、わたしの涙は/女のため
に、また男のために、流されるのです
あなたはその傷を恥とは思われませんでした/あなたはその傷をトマスにお見せ
になりました/あなたの苦しみと死のしるしとして/わたしも最早わたしのこの
傷を隠しません/わたしはこの傷を気品を持って負いましょう/この傷は甦りの
物語を語っているのです」
作者不詳ですが、レイプという残忍な暴行を受け、そして、長い間その受けた
傷に苦しんだ女性が綴った詩です。読むたびに胸をしめつけられる傷みと共に深
い感動を覚えます。今 「癒し」ブームと言われます。でも、キリストの癒し
は、心の気分の問題などではない、こんなにも真摯なもの、わたしたちの存在の
奥底に達するものであることを、わたしたちは忘れてはならないでしょう。そ
う、わたしたちのどんな傷も「甦りの物語」をこの方によって持っているのです
から。
大和 淳牧師

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